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Channel: 読書日記のようなもの
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食器用スポンジの替えどき、歯ブラシの替えどき

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運動全般が苦手な私にとって、学生時代に最も苦痛だったのが、長距離走。10kmという私にとっては果てしない距離を走らなければならなかった持久走はもちろん、トラックを何周かする1000m走でさえゴールをした後は、息も絶え絶えという情けない状態だった。

そんな私が最近、立て続けに観たのが駅伝映画。自分が走るのは絶対にお断りだけれど、人が走っているのを観るのは嫌いじゃない。最初にAmazonプライム・ビデオで三浦しをん原作の『風が強く吹いている』を観た。次に視聴履歴に基づいてAmazonからおすすめされた『奈緒子』を観た。

『奈緒子』はよくあるストーリーだったけれど、主演の上野樹里と三浦春馬の爽やかさといったらもう。それから、三浦春馬演じる雄介のライバル黒田が、なんだか綾野剛を薄めた感じの顔だなあと思いながら観ていたのだけど、後で調べたら本人だった。この映画で一番驚いたのは、それだった。

最近までお風呂で読んでいたのは、江國香織の『とるにたらないものもの』(集英社文庫)。

江國さんのエッセイ(小説も)が大好きで、このエッセイも、もう何度も読み返している。江國さんのエッセイはお風呂本にぴったりだと私は思う。

『とるにたらないものもの』の中の「食器用スポンジ」というエッセイに、私がつい最近、食器用スポンジで洗い物をしながら、ふと気になったことを江國さんも気にしていて、親近感をいだいた。ちなみに、おしゃれで素敵な大人の女性である江國さんに私が親近感をいだくことは滅多にない。

食器用スポンジのとりかえどきを判断するのは難しい作業だ。消耗品なのに減ったりなくなったりしないし、清潔なうちにとりかえなくてはならない。

まだ使える、あと一回使える、などと思いながら使っているうちに、いつもとりかえどきを失ってしまっているような気がする。

歯ブラシもそうだ。

片桐はいりの『グアテマラの弟』(幻冬舎文庫)の最初に収録されている「歯ブラシとコンピューター」の書き出し。

歯ブラシの替えどきがわからない。
新しい歯ブラシをおろして、その新鮮さを味わえる期間はとても短い。とがった毛の先が歯と歯の間にうまいことおさまって、歯みがきの時間が楽しいのはほんの一週間ほどで、そのあとは特になんの感動もない朝晩の行事になる。

まさにその通りだと思う。

いっそ衣類用の防虫剤みたいに食器用スポンジにも歯ブラシにも「おわり」のサインが出てくれればいいのに。


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